6月半ばから、一週間ほど香港に行って来ました。
今回の最大の目的は、高気圧酸素カプセル/ボックスのショールームのオープニング・セレモニー。
つまりは、エンタメとまったく関係ない事業を始めたのです。
「酸素カプセルってなぁに?」
という方のためにも、ちょっとご説明してみたいと思います。
O2カプセル/ボックスとの出会い。
コロナ禍の4年前、香港のある富裕層の方から買いたい、というお話があり、日本No.1の高気圧酸素カプセル/ボックスメーカーのタイムワールドさんと出会いました。
ちなみに酸素カプセルというのは、こんな感じで。。。
元々NASA(アメリカ航空宇宙局)がルーツ。真空の宇宙空間で活動する宇宙飛行士の体調が悪くなったことから、人体と気圧の研究がされ、今では宇宙飛行士の健康を保つため、国際宇宙ステーション(ISS)は常に1気圧に保たれているそうです。
そんなNASAが開発したものが、酸素カプセル。
そう、ベッカム選手がワールドカップの時、酸素カプセルで怪我を早く治したとニュースで有名になったのをご存知の方もいらっしゃるでしょう。
こんな感じで寝てるだけ、と思われていますが・・・
今では下のようなO2ボックスという、複数人で入れて、中で寝るも良し、テレビ見るも良し、会議したり、という最大18名まで入れるようなボックス型に進化しています。
タイムワールド社は、25年前に加藤孝文社長により創設され、民間用高気圧酸素カプセル、ボックスの業界では、世界で最も古くから事業を行って来ました。
日本で唯一、世界基準のISO13485 医療機器の品質マネジメントシステムを取得、またヨーロッパにおける医療機器製造資格CEマーキングも取得している信頼のメーカーさんです。
副社長の加藤晃宏さんに色々と教えていたただくと、このO2カプセル/ボックスは、酸素濃度は最大50%、気圧は1.3ATAで、日本では医療機器ではなく、健康器具という扱いなのです。
ですが、このような軽度の高気圧の環境下で大量の酸素を体内に取り入れることは免疫力を高め、睡眠の質も向上し、疲労も回復、健康、美肌にもなり、視力も回復し、様々な病気にも効果があるということが、大学などの研究機関による様々なエビデンスから判明している、ということが分かりました。
香川真司選手も2018年のワールドカップの時、ドイツの自宅でこのタイムワールド社のO2 カプセルを使用し、全治3か月の怪我を1か月で完治したそうです。
那須川天心さんなど、格闘家の方も自宅で愛用されているそうで、アスリートはもちろん、芸能人、会社経営者、医師、弁護士など、世界中のセレブに愛されて1万台近く生産出荷されて来ました。もちろん、個人宅だけでなく、クリニックやジム、美容サロンやホテルなど、色々な施設にも設置されています。
そんなすごいものを「香港で展開できませんか?」と加藤副社長からお話をいただいて、最初は畑違い過ぎるし、正直、無理だろうなぁ~と思っていました。(笑)
でも何ごとも、やらずに最初からあきらめることが大嫌いな、うちの老公(夫)は、色々な知人、友人に声をかけ、上手くいかないこともありましたが、ついに信頼できるパートナーにたどり着きました。それが、エンタメ事業で長い間友人だった香港のKeymanさんです。
彼はうちとは逆で、日本人アーティストやウルトラマンなど、日本のコンテンツを香港に招いてコンサートやイベントを主催するプロモーター。
彼に話したら、彼にとっても最初は畑違いだし、「話が壮大過ぎる」と思ったそうですが、たまたま奇遇なことに、医療関係者にコネクションがある友人たちが、ちょうど高気圧酸素をやりたいと思っていたところだった、と。
それが今回ショールームを開いた社長のSamuelさん、HoraceさんとSammiさんでした。
彼らを通して、香港のお医者様方からの支持も受け、3年がかりで準備を進め、この度香港の富裕層が多い湾仔(ワンチャイ)にショールームを開くことが出来ました。
湾仔のショールーム、オープニング・セレモニー。
そして、6月19日のオープニングセレモニー当日。
人がたくさん集まる時間ではなく、あまり人が来られないような平日のお昼からスタート。
どうして人の少ない時間を選んだのか尋ねると、香港人らしく、風水的に良い日時なのだそう。なるほど。
ただし、想像よりはるかにたくさんの方々が来てくださり、店内では入りきらず、何と、急遽お店の前の通りでセレモニーを開催!
お店の前は高級車のショールームも軒を連ねるGloucester Road(告士打道)という大きな通りなのですが、大量のお花は左右の建物前に はみ出てるわ、お店の前の歩道でセレモニーやるわ、お祝いのシャンパンのコルクをみんなポン!ポンッ!と抜いて、それが道行くタクシーに当たるわ、日本人的には、はらはらするような状況(笑)。それなのに、誰一人苦情もなく。
日本だったら苦情来たり、警察に通報されたり、大変だろうなぁ~と。
香港の方々だって、たぶん迷惑なんだろうけど、「お祝いだしね~」みたいな、そんな優しさがあるのかなぁ、って思いました。
お店の前でセレモニーの撮影タイム。加藤副社長、パートナーの皆さんと。
そして、テープカットなどもしつつ、もうひとつ日本の皆さんには新鮮だろうなぁ、と思うのはコレ。
子豚の丸焼きです。この子豚ちゃんをみんなでウェディングケーキみたいに中華包丁を持って、縦にカットするのです。
広東文化のお祝い事の儀式で、映画のクランクインの時も良くやっているのを見るし、実は私も老公と結婚して、初めて香港の家族に会いに行った時は、子豚ちゃんが出ました。
そのカットされた子豚は、プロの方が綺麗に分けてくださり、このような状態になってパーティで振舞われます。↓
皮はカリカリで、中はふっくら柔らか。めっちゃめちゃ美味しかったです。
ごめんね、子豚ちゃん(涙)。
癌で闘病中の方からの熱いメッセージに感動。
その時、セレモニーの司会をやられていた溌溂とした、綺麗な女性。
その女性がセレモニーの後、うちの老公に何やらしきりと広東語で話しかけていました。
聞くと、彼女は元女優さんで、舞台の脚本も書く方で、老公と仲良しの監督とも仕事したことがある方でした。
業界の話をしていたのかと思ったら、実は鼻の中と後頭部に癌が出来ていて、食欲もなく鬱にもなり、生きる気力も失っていた時、このショールームを開いた社長、Samuelさんから声をかけられて、ダメ元でショールームの準備中、酸素ボックスを何度か試したのだそう。
そうしたらなんと!腫瘍が小さくなり、体調も良くなり、お医者様に、
「一体何をしたの?」
と聞かれ、高気圧酸素ボックスに入ったんです、と答えたら、
「どんどんやりなさい」
と言われたのだとか。
ただ、お家に置くには狭いし、買うのは高いから、執筆の仕事をしながら、ここでアルバイトすることにしました!と。
そして、「この酸素ボックスを香港に持って来てくれて、本当にありがとうございます!」
とうるうるしながら、言ってくださったそうなんです。
こんなに人から感謝される仕事って、素敵じゃありませんか?(感涙)
もちろん、人により個人差はあると思います。
気圧を上げることで、ダイビング時の耳抜きが苦手な方は辛いかも知れませんし、閉所恐怖症だからカプセルはダメ、という方もいました。
でも、この健康器具が、誰かの一縷の望みになるかも知れないなんて、挑戦してみて良かった、と心から思いました。
月並みだけど、ピンチはチャンス。
私は元々富士通というコンピューターメーカーに勤めていました。
そこでパソコンの広告、イベントなどの仕事をしながら、有休を取って海外に歌いに行っていました。そんな迷惑なことをやらせてくれる、むしろ応援もしてくれる、素敵な職場でした。今でも富士通の方々との交流があるくらい、大好きな会社でした。
そもそも、どうしてコンピューターメーカーに入ろうかと思ったのかと言うと、コンピューターが世の中を便利に出来れば、社会に貢献出来るから、と考えたからです。
でも、どうしてもアジア諸国との友好を深める音楽活動を真剣にやりたくて、大好きな会社を辞め、今では小さなエンタメの制作会社を興して9年目ですが、ここに来てまたこういうメーカーさんの仕事に携わり、違う世界で人に貢献できる日が来るとは思ってもみませんでした。
コロナで海外とのエンタメ事業がすべて止まった頃、エンタメの不安定さを改めて痛感し、違う事業の柱を持たないと、大好きな仕事も出来なくなると考えていました。
そんな頃、タイムワールドさんとのご縁があり、その時、プロモーターのKeymanさんという、同じような不安を抱えていた仲間とつながり、あきらめず一緒にチャレンジしたからだ、と思います。
まさにピンチはチャンス。
まだスタートしたばかりなので、これからが本当に大変だと思いますが、香港の皆さんの健康に貢献できるよう、我々の事業の2本目の柱として、精一杯頑張っていきたいと思います!
関係者の皆様に心から感謝を、そして末永く宜しくお願い致します!
ショールーム所在地:169 Gloucester Road, Wanchai, Hong Kong