今年の2月、Shinon Tomura名義で初めて発表させていただいた曲、【Earth Turns Eternal 2021】(日本語、ベトナム語、中国語)について、改めて経緯と思いを。
長いですが、コロナ禍で立ち止まってしまい、その後、前よりも積極的に動き出した私の記録です!
素晴らしい楽曲との出会い
2020年4月7日からの第一回目の緊急事態宣言。
5月25日に解除されてからも、私はわりと大人しくステイホームしていました。
ボイトレもすべてオンラインに。
やっと人と会い始めたのは、8月。
8月5日に香港の映画音楽やディズニーの仕事でお世話になっている、プロデューサー、丸山裕美さんからお誘いがあってランチに。
イベントやツアーが全部白紙になって、もう自分が歌う場所はないんじゃないかなぁ~とさえ思っていた時だったので、ランチをしながら、そんな思いを裕美さんに話した記憶があります。そして、死ぬまでに自分が納得いく音源を作りたい、という話も。
そしたら、裕美さんが「しのんさんに合う歌があるよ」と言って提案してくださったのが、この【Earth Turns Eternal】でした。
この楽曲は、世界的に活躍されているヴァイオリニストで作曲家のマレー飛鳥(金子)さんが作詞・作曲、1995年にリリースした楽曲で、飛鳥さんご本人が歌われているものです。
その飛鳥さんの穢れのない、天使のような歌声の音源を聴かせていただいた時に、とても表現力が必要とされる楽曲だから、自分には敷居が高いのではないか、と思うと同時に、すごい良い曲だし、飛鳥さんという素晴らしいアーティストさんとお仕事出来たらとっても嬉しいなぁ~!と思いました。
それでもちょっと悩んだのは、このコロナ禍に自ら作品を作ることに迷いがあったからです。
音源を制作するということは、当然ながら経費がかかること。
イベントやツアーだけでなく、自分たちの制作会社の手掛けるプロジェクトのほとんどがストップしてしまい、資金繰りが厳しい中、自分がやりたいことをやるために投資をしても良いのか、という思いがありました。
背中を押してくれる人たちがいたこと
そんな中途半端に悩んでいた時、友達が叱咤激励をしてくれました。
・金銭的な事情があっても、極端な話、スマホ1つで配信できる時代だから、やってみればいい。
・せっかくの楽曲、もったいなくないか?
・私に中途半端な点があるとすれば、それは修行や努力ではない。(踏み出せない私の姿勢である、と私は受け取りました)
と。
ここまで言ってくれる友達って本当にありがたいです(涙)
そうだ、そうだ。
今まで自分はずっと「受け身」だった。
バンドの仕事もリーダー達に取ってきてもらうのが当たり前だったし、自分から何も積極的に動いて来なかったなぁ、って気づかされました。
そんな時、別件で裕美さんと仕事した帰り、一緒に自由が丘の美味しいバーでご飯を食べました。
その時また、背中を押されて、よし、やろう!と決めました。
それから、芸術家対象の給付金などで、少しでも会社の負担を減らせるように、と動き始めました。
どうせなら三か国語で
裕美さんからの提案で、「ツアーに行けない今、どうせなら日本語以外でも歌ったらどうか?」と言われ、毎年のように行っていた中国とベトナムの現地語で歌って、両国に歌を届けたい、と思いました。
そこで必要なのが、それぞれの歌詞です。
長年のアジアでの活動のおかげで、お願い出来る方々の顔がすぐに思い浮かびました。
ベトナム語は、日本語が堪能で自身も日本の楽曲をベトナム語にカヴァーして配信している親友の在日ベトナム人アーティストのハイチュウさんに。
中国語は、日本の大学で教鞭を執り、詩や語学のエキスパートで、以前からバンドの曲も何度か中国語詞にしてくださっている中国語の先生、李振渓老師にお願いしました。
二人とも素晴らしい歌詞を書いてくださったのですが、これを歌うのがまた一苦労。
というのも、私が今まで外国語で歌って来た歌は、ほとんどがカヴァー曲。
つまり、多少発音が悪くても、ネイティブのリスナーの方々は歌詞を知っているので伝わるのですが、全く知らない歌詞をネイティブに伝わるように歌うというのは、本当に大変な作業でした。。。
練習してデモを録ってチェックしてもらう。
直されてまた練習してデモを録ってチェック・・・
果てしなくその繰り返し。。。
自分のレベルの低さにがっかりする日々。。。
でも、ハイチュウさんも李老師も根気強く何度もチェックしてくださったのです。
感謝しかありません。(涙)
素晴らしい制作陣
私が発音で苦労している頃、裕美さんは素晴らしい制作陣をアサインしてくれました。
演奏は、裕美さんプロデュースのAmazingなユニット・A-Unのお二人(マレー飛鳥さん&Akira Ogawaさん)。
レコーディングとmixはSONY MUSICの凄腕エンジニア、米山雄大さん。
ミュージックビデオは、受賞歴多数の写真家、広川泰士さんの《惑星(ホシ)の音》という写真集の美しく雄大な写真たちを、ミュージックビデオ界の巨匠、板屋宏幸監督がスケールの大きな素晴らしい映像に仕上げてくださいました。
私にはもったいないくらいの巨匠ぞろいです。
そうして出来上がった作品がこちら。
【Earth Turns Eternal 2021】
ご興味のある方は、ベトナム語版、中国語版もぜひ!聴き比べてみてください。
人によって、
「ベトナム語版サイコー!」
「やっぱShinonさんの中国語が好きです!」
と意見が分かれるのが面白いところです。
そして言葉が分からない人にも、何故かメッセージが伝わってしまうところも。
最後に
『この曲を歌ってみない?』ときっかけを作ってくださり、私の声の良いところを引き出してくださった丸山裕美プロデューサーと、協力してくださった素晴らしいクリエーターの皆さん、そして背中を押してくれた友人に心から感謝しています。
この困難な時代、この歌のように、周りの人たちの為に『何が出来るだろう?』とみんなが考えれば、お互いを思いやれる良い世の中になっていくと信じています。
これからは「利他主義」の人が生き残っていく時代だそうですよ。
利己ではなく、利他。
自分より、他人のために。
聴いてくださった方々へ。
Shinonより、「あふれんばかりの愛」と感謝を込めて。。。