3/20、大阪アジアン映画祭のコンペティション部門に入選した『ラスト・ソング・フォー・ユー(久別重逢 Last Song for You)』の上映とJill Leung(ジル・リョン)監督の舞台挨拶を応援に大阪遠征へ。
会場はABCホール。

高知ロケでお世話になった高知県のご担当者の方とも久々の再会でした。
そして、色々知り合いの方も多くて、日本における香港映画の関係者の皆さんが、結構いらしてました!

始めて見た『ラスト・ソング・フォー・ユー』は、日本の高知が美しく映されているのはもちろん、香港のロケ地、長洲の景色も最高で、高知と美しくリンクしていて感動しました。
ナタリー・スー(Natalie Hsu)さん演じる、可愛い女性主人公の一途な想いに感動するのはもちろん、意外性のあるファンタジーの面白さ、音楽の素晴らしさ、そして私に一番刺さったのは、イーキン・チェン(Ekin Cheng)さん演じる中年の男性主人公のクリエイターとしての苦悩が描かれていること。これって、どんなジャンルの仕事でも、いつかは訪れる壁だし、端くれながらも、音楽をやっている者として、とても身につまされる内容でした。
これってね、きっと若い頃見ても、人生経験を積まないと伝わらないポイントかも。
特にモノづくりをしているクリエーターの人には響くでしょうね。香港の映画館でも、おじさん達が号泣しているとか。

そして、香港の人気グループ、Mirrorのイアン・チャン(Ian Chang)さんがギター一本で歌う「我的歌」の歌詞も、「声が枯れても、(ギターを弾く)指がすり減っても、歌い続ける」というような歌詞で。そこでスイッチが入ってしまい、そこから後半は感動して泣きっぱなしでした(笑)
実はこれ、イーキンの古い歌なんですって。
そして、この素敵な歌詞を書いたのは、うちの老公の高校の後輩の黃偉文(ウォン・ワイマン)さん、というご縁なのでした。
もちろん、最後に流れるイーキン&イアンが歌う、映画の主題歌『久別重逢』もすごく良くて。イントロだけで、ぐっと来てしまいます。
実は、ジル監督は今回がデビュー作で、うちも長いお付き合いになるWilson Yip監督作品のアクション映画の脚本を長年書いて来られた方なんです。だからこそ、そんなストーリーの裏には、ジル監督のクリエイターとしての今までの脚本家としての苦悩も感じられました。
そして、「ラブストーリーが好き」と言うだけあって、「愛と恋の違い」についてのセリフが出て来るのですが、それがとっても素敵で(涙)、きっと監督は「本物の愛」を知っている人なんだろうなぁ~と感じさせられました。
それもそのはず、大阪にも連れていらっしゃってた可愛らしい仲良しの奥様がいて、一緒に撮った写真も良くジル監督のインスタに載せているんです。今回、ゆっくりお話は出来なかったけど、きっと彼の脚本家人生をずっとそばで支え続けて来た、素晴らしい奥さんなんだろうなぁ、と作品を通じて思いました。
香港映画ってアクションやラブコメしかないと思っている皆さん!
『ラスト・ソング・フォー・ユー』も、ぜひ見てください!
もっともっと、日本の皆さんにも見てもらいたい、すごく素敵な映画です!

高知県と長洲の景色が美しい予告編はこちら。