最近見た中で印象に残ってる映画、「勇気あるもの(RENAISSANCE MAN)」。
1995年公開のダニー・ デヴィート主演のアメリカ映画。コミカルでテンポが良くてあっという間に見てしまいました
原題の“RENAISSANCE MAN”は「(ルネッサンス的な)教養のある人」という意味だそうです。
映画の中にも名前が出て来るのですが、レオン・バチスタ・アルベルティというルネサンス期のイタリアの建築家で作家、画家、音楽家、学者(すごい!)で、その上運動能力も抜群だった人が「ルネサンスマン」と呼ばれた事から、「万能な人」を指す言葉になったそうです。
この題名だけじゃ、どんな内容なんだか想像がつきませんよね
映画はいきなりUS3の“Cantaloop”がバックミュージックで始まります
実家にいる頃、JAZZ好きな兄にJAZZフェスのビデオを良く見せられ、Herbie Hancockの“Cantaloupe Island”を死ぬほど聞かせられた私としてはそこからワクワク
US3のバージョンこちら!
ストーリーは広告大賞の受賞歴もあるやり手のベテラン広告マン、ビルが主人公。
ビルは大事なプレゼンに大遅刻しても、自分の経歴にあぐらをかいて傲慢な態度をとり失業するんですが、再就職先がなかなか見つからない。プライベートでも離婚をし、娘とも微妙にうまくいかないダメお父さん。
そんなビルにやっと紹介されたのが陸軍の訓練校の落ちこぼれ新人兵士達8名の教育の仕事。
仕方なく嫌々引き受けるも、就職活動しながら腰かけで始めた教職で、まったく接点のないと思える兵士達と、シェイクスピアを題材にした授業を通して交流を深めていきます。
いきなり出だしが“Cantaloop”だし、挿入歌も良い曲が多いです。そして途中、生徒達によるハムレットのラップがあったりして、そんなところもなかなか楽しめます
そしてビルが腰掛のつもりで授業に真剣に向き合わず、就職活動を優先させて授業に大遅刻すると、生徒達が授業をボイコット。そこで、初めてビルは自分の仕事に対する姿勢の甘さ、中途半端さに気付くんです。
ビルが落ちこぼれの兵士たちと交わる事によって、生徒だけでなく自分自身も親として、教師として成長していく様が感動的でした。
なまじっか知識や経験、実績があると、歳を重ねるほど人の言う事に耳を貸さなくなる大人も少なくないと思いますが、年齢や経歴に関係なく、相手の言う事にちゃんと耳を傾ける事で、人間、いくつになっても成長できるんですよね。
そう、ところで何でタイトルが「ルネサンスマン」なんでしょう。
それは主人公のビルが知識が豊富な教養人だから?
軍隊では体だけでなく、頭脳を鍛える事も大事だっていう事?
ストーリーのテーマになっているシェイクスピアがイングランドの後期ルネサンスの作家だから?
そこは定かではありませんが、人生、挫折しても、いくつになってもやり直せる、成長できるって思わせてくれる作品です