昨日、シネマート新宿で台湾映画『進行曲 マーチングボーイズ』を観てきました!
プロデューサー&脚本を担当されたケリー・チェン(陳慧如)さんの舞台挨拶があるということで、これは行ってみたい!と。

本作は、1990年代の台湾の名門進学校・建国高校を舞台に、マーチングバンド部に青春をかけた男子高校生たちを描いた、実話に基づく物語。

主人公のジャン・ハオを演じるのは、ムー・セン(牧森)。
医学部進学を望む父親から大きな期待をかけられながらも、父には内緒でマーチングバンド部に入部します。

そこに、自由奔放な天才肌の問題児リウ・ジーチュワン(リウ・ユーレン(劉育仁))、責任感が強く後輩思いの部長タイチェン(ユー・ジェエン(余杰恩))、というタイプの全く違う男子高校生たちが、音楽を通してぶつかり合いながら成長していく青春映画です。

前半は笑えるところもあって、爽やかな青春映画だなぁ~と思って観ていたのですが……

後半、私は完全にスイッチが入ってしまいました。

主人公ジャン・ハオが、厳しい父親に自分の気持ちをぶつけるシーン。
勉強が大切なのは分かっている。
親が自分のためを思って言ってくれていることも分かっている。

それでも、

音楽をやっている時が楽しい。
音楽をやっている時が幸せなんだ。

人生は一度きりなんだ。

という気持ちを、必死に父親に伝えるんです。

もうね……

分かる~~~!!!(涙)

となってしまいました。

というのも、私にも似たような過去がありまして。
大学まで出してもらって、その後は大手企業に就職。親としては、きっと「これで一安心」と思っていたはずです。

なのに娘は、勝手に会社を辞めて、バンド活動へシフト(笑)。
しかも当時の私は実家暮らし。
会社を辞めたいと思ってからも、「親をがっかりさせるだろうなぁ」と、なかなか言い出せませんでした。

結局どうしたかというと……

退職願を会社に出してから、親にメールで報告。

同じ家に住んでいるのに(笑)。

そりゃ怒りますよね。

親は激怒。

しばらく口もきかず、洗濯物も自分でためておいて、自分で洗濯。

家庭内別居……とまでは言わないけれど(笑)、そんな時期が続きました。

当時の私は、
「どうして分かってくれないんだろう」
と思っていました。

でも今なら分かります。

親は私の人生を邪魔したかったわけではなくて、ただ心配だったんですよね。
せっかく大学を出て、安定した会社に入った娘が、それを辞めて音楽をやると言い出したら……

そりゃ心配するわ(笑)。

それでも、その後バンドで海外ツアーをコンスタントにするようになったり、CDをリリースしたり、結婚して海外との制作の仕事を受けたり。活動を続けていく中で、両親も少しずつ応援してくれるようになりました。

振り返ってみると、

やっぱり親というのは、最大の味方なんだなぁ。

そんなことを、最近改めて感じています。

だから、ジャン・ハオが父親に自分の気持ちを必死に伝えるシーンは、もう他人事には見えなくて。

そこからは涙腺崩壊。

(向かって左から、劉育仁、牧森、余杰恩)

最後の圧巻のマーチングパフォーマンスまで、ほぼ泣きっぱなしでした。
やっぱり私、音楽映画には弱いらしい(笑)。
映画と音楽。好きなものが二つ合体しているんだから、そりゃ弱いよね。

そして、あとからプロデューサー&脚本を担当されたケリー・チェン(陳慧如)さんのプロフィールを見ていて、もうひとつびっくりしたことが!

なんとケリーさん、私が昔かなりハマって観ていた台湾ドラマ『ブラック&ホワイト 痞子英雄』の脚本家でもあったんです!

懐かしい~~~!
当時ブログにも書いていました(笑)👇。
『中国語ジャーナル -台湾華語に首ったけ-』

こういうところで、昔好きだった作品と今の映画のご縁がつながると、なんだか嬉しいですね~。

そして上映後は、ケリー・チェン(陳慧如)さんの舞台挨拶。

ここからは、私の大好物(笑)、映画制作の裏話です。

そもそもこの映画、建国高校のマーチングバンドOBの皆さんが、「自分たちが青春を過ごしたあの時代を映画に残したい」と考えたことから始まったそう。
1990年代、従来のブラスバンドからアメリカ式のマーチングバンドへと変わっていった時期が実際にあり、その物語を映画にしたいというところから企画がスタート。

完成まで約6年かかったそうです。

そして、この作品の主人公3人は、実在した誰か一人をそのままモデルにしたわけではなく、それぞれ異なる家庭環境、社会階層を持つ人物として作られたとのこと。

育った環境が違っても、同じ夢に向かって一緒に頑張る。
その関係性を描きたかったそうです。

そして驚いたのが、主演の3人。
映画の中ではあんなに自然に楽器を演奏していますが、もともとは楽器経験者ではなく、撮影の半年前からゼロから練習を始めたのだとか。

さらに最後の大会シーンのためには、4か月間、毎週8時間もの練習!

約7分間のラストのパフォーマンスを撮るために、撮影には4日間を費やしたそうです。

実際の建国高校マーチングバンドのOBの皆さんも参加されていて、中には現在、会計士や弁護士などのお仕事をされている方も。(さすが、進学校だわよね~)

仕事を休んで撮影に参加した方もいたそうです。

そりゃ、あのラストシーンに熱があるはずだわ~。

そして個人的に「面白い!」と思ったのが、ケリーさんがこの作品を“アクション映画の発想で撮りたい”と考えていたこと。

男子校のブラザーフッドや、マーチングの躍動感を出すために、監督をジャン・ルイジー(姜瑞智 / Ray Jiang)にお願いし、アクション映画のような動きのある作品にしたかったそうです。
マーチングって、音楽ではあるけれど、同時に身体の動き、隊列、スピード、呼吸、タイミング……全部がそろわないと成立しない。更に、アクロバティックなシーンも、役者さん達はノースタントだったとか。

だからこそ、最後のパフォーマンスにあれだけの躍動感があったんだなぁ~と納得しました。

キャスティングもかなり丁寧。

撮影の約1年半前からオーディションを始め、200人以上の中からまず11人に絞り、その11人に2か月間の演技レッスンを受けてもらった上で、最終的に3人を選んだそうです。

中でも主人公ジャン・ハオを演じたムー・セン(牧森)は、抑えていた感情を後半で爆発させる難しい役。

ケリーさんも、特に父親とぶつかる場面を演じ切れる力を評価して、彼にこの役を託したと話していました。

……だから私、あのシーンであんなに泣かされたのね(笑)。

映画を観た後に、こういう制作の裏側を聞けるのは本当に面白い!

「あのシーンは、こういう考えで作られていたんだ」
「あの演技には、こんな準備があったんだ」

と知ると、さっき観た映画がもう一度違って見えてくるんですよね。
もう一回見たいわ。

やっぱり私は、制作の裏側を聞くのが大好きです(笑)。自分たちが制作やっているからこそ、苦労も身に染みて分かるし。

そして、来場者特典ではこんなポストカードもいただきました。

最近、映画館でこういう特典をいただくこと、本当に増えましたね~。

爽やかで、笑えて、そして最後は思い切り泣かされる。

何より、

「周囲から期待される人生」と
「自分が本当にやりたい人生」。

その間で悩んだ経験のある人には、きっと刺さる映画だと思います。

私には、めちゃくちゃ刺さりました(笑)。

そして最後のマーチングシーン、本当に素晴らしいです!

台湾映画『進行曲 マーチングボーイズ』。

おすすめです!!

公式サイト
https://marchingboys.jp/

3人のメッセージ入り、予告編はこちら。