アジア

NHKドラマ「大地の子」。

先日、ねんど大介さんから「大地の子」がやっと中国で解禁になったという話を聞きました。
「大地の子」とはかの有名な山崎豊子さんの小説を原作として1995年に日中共同で制作されたNHKのテレビドラマです。
CCTV(中国中央電視台)と共同制作だから、中国の人ももちろん知っているものと思いきや、今まで中国では上映が禁じられていたのだとか。
中国残留孤児の主人公、陸一心が日本人という事で差別を受け、文化大革命により、労働改造所で過酷な労働を強いられた事なども扱っているので、中国での上映は認められていなかったのでしょう。
でも、陸一心を引き取って育ててくれた中国人のご両親が素晴らしく、特に義父役の朱旭さんの演技には何度も心を打たれ、家族で涙して見ていました。その愛情は実の子供のためにもこれだけ出来るお父さんは果たしているだろうか、と思うほどで、陸一心が受ける迫害をカヴァーして余りあるような愛情なので、決して中国のイメージが悪いドラマではないと私は思います。
陸一心の名セリフ「私は大地の子です。」と言うラストシーンの長江の景色も、まるで水墨画から抜け出てきたような景色で、「あぁ、ここに行ってみたい!」と思わせる絶景です。
とても感動的なドラマです。

95年当時、私はまだ中国語を勉強していなかったのですが、主演の上川隆也さんが流暢に中国語のセリフを話すの見て「役者さんってどんな役にもなれてしまって本当にすごいなぁ!」と心底尊敬していました。
今になって見返してみても、上川さんは一カ月で習得したとは思えないほど、発音も上手だと思います。

そしてそのドラマの上映から5年後の2000年の年末の事。
陸一心の日本出張時の団長役としてこのドラマに出演していた程波先生が、私達のコンサートに来て下さり、私達の運命を劇的に変えて下さることになるとは思ってもみませんでした。

「中国語で歌う面白いバンドがありますよ」と私の一番最初の中国語の老師(先生)である善老師が、中国人の友人とともに、連れて来て下さったのが中国文化芸術センターの社長であり、中国人歌手、俳優の程波先生でした。

本番が終わった後、楽屋に先生が駆けつけて下さり、「あなた達面白いですね。来年北京でイベントがあるのですが、出ませんか?」と声をかけて下さったのが、2001年5月、私達が初めて中国大陸6都市を巡回公演することになる中国政府主催のイベントだったのです。

程波先生には、その後も何度も厳しい発音指導をしていただいたりして、可愛がっていただきました。歌手で役者の先生の発音指導は厳しく、発音、発声、みっちりしごかれました。でも、それが今になって生きていると思うので、程波先生には本当に感謝しています。

大地の子、解禁されて中国ではどういう評判になるのでしょうか?中国語を一生懸命覚えて演じた日本人俳優・上川さんに、好感を持ってくれる中国人がたくさんいるといいなぁ、と思います。

(2001年初の中国ツアーで。一緒に6都市巡回したドイツのスイート・ライズ、アメリカのモニカ、オーストラリアのデーモンと。)

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