OLを辞めて、フリーランスを経て起業して早7年。
先月末で7期目を終え、今月から8期目に入りました。
起業したきっかけ。
そもそも2001年からバンドで海外ツアーに行き始め、ラジオ番組のレギュラーが入ったりして寝る時間が削られ、上場企業の安定した職場よりも、音楽と語学を優先したくて会社を辞めた私。
親や周りには散々止められたけど、後悔はしたくなかったし、あの時辞めて、若いうちに本気で挑戦出来たからこそ、今がある。と、当時の自分の決断は間違っていなかった、本当に良かったなぁ~と思っています。
海外留学も視野に入れていましたが、退社して都内の中国語と英語の学校に通っているうちに、翌年、香港出身の業界人の老公(夫)と結婚することになり、その途端、音楽だけでなく、映像やイベントなど、「香港」「エンタメ」を切り口とした、ありとあらゆる仕事が舞い込んで来て、それ以来、ずっと一緒に仕事して来ました。
もしかして、これが本当の意味の「永久就職」?(笑)
それ以来、自分の好きな「海外」「エンタメ」の仕事に関わり、大変だけど、楽しくてやりがいのある毎日を送っています。
彼は元々某大手芸能プロダクションで香港の某バンドのマネージメントをし、その後、某地上波テレビ局の事業部で某大手芸能プロダクションのアーティスト達の海外公演やイベントの制作をし(”某”が多いですがw)、その後フリーで日本や香港の映画、テレビなどの映像の現場制作をして来ました。
2013年頃から、香港のCMの日本制作の話が飛び込んで来たり、私にも香港のCMソングや映画の主題歌、挿入歌の歌や作詞のお仕事をいただけるようになりました。
だったら、日本人のスタッフに混ざって日本の作品を作り続ける、ある意味外国人の老公にとってハンデを背負っていることをやるより、自分の得意とする合作を中心にした方がブルーオシャンだし、良いのではないかと考え、2015年春には日本の業界の仕事を一切断って、海外合作にシフトし、2016年に二人で起業しました。
起業してからの順調な3年間。そして・・・
起業してからは、法人格があることで、受けられる仕事の範囲が大きくなり、最初の3年間は売上が倍に、倍にと伸びて行き、3年目の2018年冬にはさいたまスーパーアリーナで、香港のアーティストのコンサートという大規模プロジェクトもやらせてもらいました。
ところがその直後、2019年3月には香港の民主化運動が始まり、我が社の取引先の90%以上を占める香港がエンタメどころではなくなり、おまけに2019年末から忍び寄るCOVID-19。。。
当社にとっては、大打撃の数年間でした。。。
もちろん、私の歌い手としての海外公演もなくなり、海外からの撮影、イベントなどもほとんどなくなった暗黒期。。。
危機管理について考える。
そのコロナ禍の間、時間があったこともあり、否応なく危機管理について真剣に考えるようになりました。
フリーランスの時も、リーマンショックや東日本大震災など、エンターテインメント業界が落ち込む危機を何度か経験して来ましたが、コロナは本当にエンタメ業界にとっては、長期に及ぶ未曽有の危機。
そこで、この屈んでいる間に力をつけ、次にジャンプする時に少しでも高く跳べるようにと、色々策を講じました。
(1) 歌い手として海外公演やイベントがなくなった!
「音楽家支援の補助金を申請」→「ソロで音源のリリース開始」
(2) 撮影隊やイベント団体など、仕事相手が海外から来なくなった!
「物なら移動出来る。貿易の通信教育を受講」→「香港のエンタメ仲間とサイドビジネスとしての輸出ビジネスの開始」
(3) 大きな撮影の仕事が減った!
「補助金でカメラ機材や編集ソフトを購入」→「自らYouTubeチャンネルを企画・撮影・編集~収益化にこぎつける」
補助金を申請するにあたり、音楽家としても、会社としても、過去の売上を提出しないと補助金が出なかったので、過去の売上げデータと向き合って分析することも出来ました。
また、香港の政情不安が原因か定かではありませんが、世界的な企業で、アジアの支社の拠点を香港からシンガポールに移す企業が増えて来ました。
そのおかげで、今まで香港のFOX TVで仕事していたイギリス人監督から連絡が来て、改めてシンガポールのディズニー社と契約することが出来(ディズニーのメンバーになるベンダー登録は大変でした(汗))、今年もシンガポールからナショナル・ジオグラフィックの日本プロジェクトの打診がいくつか来たりしています。
こんな小さな会社でも、世界のウォルト・ディズニー・カンパニーと直接契約が出来るなんて、とてもラッキーなことです。
また、デンマークの有名なドキュメンタリー映画の監督と知り合い、リモート撮影や、撮影映像をの字幕データ制作の仕事をいただいたり。。。
身動きが取れなかったはずの3年間なのに、不思議と香港以外にも他の国々にどんどん仕事が広がって来ました。
8期目の決意。
コロナ禍を経て、色々なことを勉強したおかげでしょうか、世界が積極的に動き出した今、自分の視点もかなり変わって、付き合う人たちもガラッと変わって来ています。
Life is very short. Doing my best is OK.
尊敬する香港のアーティスト、Wing(葉世榮)さんから教えてもらったこと。
人生は短いから、悔いのないようにやりたいこと、やるべきことをベストを尽くしてやる。
毎日Peacefulに生きる。
今の私が切望するのは、
「リスペクトする人たちと良い作品を作っていきたい」。
「自称〇〇〇」とか、「なんちゃって」とかじゃなく、本物の人たちと圧倒的に良い作品を作ることを目指していきたい。
そんなことを考えていると、次々とリスペクト出来る方々と深いご縁が出来て来るから不思議です。そんな人たちは、素晴らしい人たちで、いつもPeacefulで、陰で人の悪口を言ったり、なんて人はいません。
You are the average of the five People you spend the most time with.
~アメリカの起業家・作家、ジム・ローン~
(最も長く一緒に過ごす5人の平均が、あなたという人間である。)
ジム・ローンの「5人の法則」です。
そういう素晴らしい方々と出会う度に、自分こそが「なんちゃって」なんだと思い知らされてへこみます。でも、だからこそ、「本物」の方々と付き合うことで、自分の平均点も爆上げしていきたいと思っています。
そして最近は、「エンタメ」を切り口として、ファッション系のモノづくりにも関わっています。
これも極秘なので詳しくは言えませんが、海外のとある大人気アーティスト関連の仕事。
初めてのお仕事ですが、音楽や映像と同じくモノ作りは楽しい。特にファッションはわりと興味がある分野だし、初めてとは言え、映像の為の美術を制作する時と結構似ています。
香港の元気寿司の着ぐるみを作った時、楽しかったなぁ~!
つくづく時間は有限。
自分の財産である時間を有効に使って、自分に必要な人、リスペクト出来る人と、とにかく良い仕事、楽しい仕事をしていこうと思います。
そして、その生み出したモノが後世まで残るとしたら、何て幸せなことでしょう!
そして、死ぬまで好きな業界で、楽しく働けたらいいなぁ~♪と思っています。